【マジで】選挙の投票率が低下する本当の理由とは?【ヤバい】

低下する投票率

総選挙(衆議院議員選挙)が終わった。
民主党敗北・自民党大勝・第三極の台頭等、話題になったものの、投票率は今回も低下した。全般に低下が指摘されている「投票率」。この原因はなぜか。

投票率の低下は若者のせいか?

選挙制度を所管する「総務省」では

・常時啓発事業のあり方等研究会
http://www.soumu.go.jp/main_content/000141752.pdf

で、以下の見解を示す。

特に、若い有権者投票率は、いずれの選挙においても他の世代に比べて低く、しかもその差が拡大してきている。例えば衆議院議員総選挙における20歳代の投票率は全体の投票率に比べ、昭和50年代は10ポイントほど低かったが、その差は徐々に拡大し、現在は20ポイントほどの差になっている。
若い有権者投票率が低いのは、他の世代に比べて、政治的関心、投票義務感、政治的有効性感覚が低いからであると考えられ、これまでの各種意識調査がそのことを物語っている。


この「見解」について、地方事務担当者としては疑問だらけである。

若年層の「投票率低下」の影響は…

第一の疑問。ここでいう「若い有権者」とは20歳代である。「少子高齢化」が叫ばれているが、この年代層が国民全体に占める割合は1割程度にすぎない*1
この1割にすぎない20歳代の投票率が全体の投票率に比べ「20ポイントほどの差」になってしまったとしても、
0.1×0.8=0.08
つまり、「若い有権者投票率」の低下は投票率ぜんたいの0.08%しか“寄与”していないのである。

高学歴=大学進学者の増

また、

昭和50年代は10ポイントほど低かったが、その差は徐々に拡大し、現在は20ポイントほどの差になっている。

という記述も、いかにも「若者政治ばなれ」が進んだような印象を与える記述であるけれども…
これも、実際の原因はといえば「高学歴化」が進んだから。大学・大学院進学者が増えれば、「下宿」する人が増える。「下宿」にあたっては、住民票を動かさない場合が多いから、住民基本台帳では「北海道民」であるけれども、現実に東京周辺に“居住”していることになる。この場合、選挙は北海道ですることが原則である。一応、そのような人のために「不在者投票制度」があるが、手続きが周知されていなかったり、手続きに煩雑感を感じるため、一般的なものにはなっていない。結果として「棄権」ということにもなる。

「高齢化」こそが最大の要因

ならば、投票率の低下はなぜ続くのか?
答えは簡単である。「少子高齢化」の「高齢者」である。
疾病や老いにより、投票に行くことが困難な方が増えたと同時に、政策や政治を「判断」する能力が衰えたり、喪失した方も多いからである。

民主党の「事業仕分け」が「投票率低下」を後押し

加えて、民主党の“目玉商品”ともいうべき“事業仕分け”が、それを推進した観が否めない。

参院選投票所、全国で3000か所減…01年比
 http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2010/news2/20100708-OYT1T00007.htm

国の予算削減により、投票所の数が減る。この傾向は「限界集落」「過疎地域」で特に顕著であったことは想像に難くない。

選挙制度はみなおしへ

このように高齢化と相反するような、民主党の「高齢有権者切捨て政策」が投票率の低下を招いてしまったワケだが、それでも疑問は残る。

  • 高校を卒業して、就労し所得税を納めている18歳の前途洋々たる若者

に、選挙権がない一方で、

  • 高齢・疾病で判断能力が低下して、成年後見人を立てている人

が選挙権をもつ。
これは明らかに「矛盾」ではないか。
現在の「選挙制度」は見直す時期に来ているかもしれない。